介護保険制度のコンセプト通り一生懸命働いているが、そうするとお客様がいなくなるという話し

皆様こんにちは!嘉祥会ブログ担当の彌 一勲(ひさし かずひろ)です。

介護の仕事をしていて誰もが感じる所がタイトルの事です。
介護保険の基本コンセプトが自立支援であり、その考え方に添って介護職としてご利用者のニーズ、ケアプランとその日の状況を考慮して自立支援をします。

介護が必要な方でもその方の「できる事」に着目し、それを活かしてご本人の望む生活に近づけるよう絶妙に支援の手を差し伸べないという事も必要なわけです。
できる事はやってもらうって事ですね。

介護保険制度のコンセプト通り一生懸命働いているが、そうするとお客様がいなくなるという話し

昨今話題にあがっているインセンティブの事についてブログも書いたところではあるのですが、これまでも自立支援の為に私達介護職がいて、なんでもかんでもやってしまっては介護保険のコンセプトから外れ家事代行サービスと線引が難しいよねという感じになってしまいます。

私達介護のサービスを仕事をしている事業者は常にパラドックスの中で仕事をしているわけです。
私達は介護が必要になってもその人らしい生活をつづけられるように支援させていただく仕事ですが、逆にいえば「私達が関わらないで生活できるにこしたことはない」というものです。

自立した生活から身体や脳がこれまで通り機能しなくなり、生活上手助けが必要になった状態で私達が出番。

できなくなった所に私達が関わるからお客様に「よかった」と思っていただける。しかし、本当は私達と出会わない自立した生活の方がよかったかもしれません。

そう思うのです。
極端にいえば皆が皆介護が必要なくいつまでも元気でいれば私達介護事業者はいらない。

自立支援は実はそういう事。

その人の事を考えて私達なりに一生懸命関わらせていただいて、結果要介護だったのが要支援になった、自立になった。というお互いに喜びを共有するわけです。

その喜びがやりがいなのですが、自立されると私達介護事業者は必要なくなるわけでお客様が卒業する事になるわけです。

介護は介護度1,2と軽度の介護度よりも中重度の3,4,5となるにつれて事業者が得られる報酬単価は上がります。事業所の職員の給料や運営を考えると介護度中重度のご利用者につかっていただく事で収入は増えます。これが、介護保険のコンセプトを揺るがしていますよね。

自立支援をするのは介護度5の人を4→3→2のように自立した生活に近づけるものだからです。この介護度が5から1にそして要支援から自立になっていく際にいただけるインセンティブは考え方としては良いと思いますよね。

これまでと同様、お客様のニーズ、それを叶える為のプランにて自立支援を全力でサポートするスタイルは変わらずにやっていきます。そこが評価されてインセンティブが出るのはプロフェッショナルの仕事だと思います。

きっとインセンティブについても色々な弊害や考え方があるでしょうが、シンプルに、お客様が満足され少しでもながく元気で暮らせればそれが最高だしそれを支援するのが私達介護職の役目なので使命を果たして報酬をいただける流れが良いですね。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。