専門職が陥りやすい、やってはいけない事。OFF-JT第一回目

皆様こんにちは!嘉祥会ブログ担当の彌 一勲(ひさし かずひろ)です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?様々な過ごし方があったかと思いますがまた連休明け、よろしくお願いします!

専門職が陥りやすい、やってはいけない事。OFF-JT第一回目

さて、4月入職新人職員の第一回目OFF-JTを実施しました。
OFFーJTはご存知の方も多いですが、Off The Job Trainingの略です。
介護で言えば現場を離れての業務訓練。
新人教育システムを一新したチューター制度を始め、OJT(業務内で行う業務訓練)とOFF-JTとヒヤリングと研修と4本柱での新人教育となっています。

話しを戻しまして、第一回のOFF-JTはタイトルのように専門職が陥りやすいやってはいけない事というテーマで座学を行いました。

介護は医療と看護、その他理学療法士、作業療法士等の多職種連携が求められているので合う人、関わる業種が多い程に横文字の意味を理解する必要があります。

介護分野にしても、横文字が多くとりあえず意味を知っておくと役には立つのですが、その横文字を使うことが「こなれている」と調子にのって使ってしまうと、他分野で活躍されてきたご高齢者やそのご家族は意味がわからない。そういう状況になります。

私達の当たり前は当たり前じゃない事、しかしながら多職種連携や同業種との横の繋がり懇談会で置いていかれないように用語の説明をしました。

日常的に介護現場で出る用語の代表例

  • ADL
  • QOL
  • PT

この3つのワードは常日頃から当たり前に出てくるワードで介護職で知らないと話しが通じないと言うような言葉。
私がこの業界に入る前は知らなかったので一般的かというとそうでもないと思います。

ADLとはactivities of daily livingの頭文字をとったもので、日常生活動作 食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴等生活を営む上で不可欠な基本的行動の事を指します。
QOLとはquality of life。直訳すればなんてことない、生活の質という事です。
PTとはphysical therapistの略で理学療法士。フィジカルセラピストの略。身体のリハビリ。主にリハビリテーションを行う専門職。

こんな感じです。組み合わせて使うと

ご利用者のQOL向上を実現する為にはADLの状況をしっかり把握し、介護者がご利用者の残存能力を活用した介助を行う事が大切である。その為にはPT等の専門職との連携も必要不可欠であり・・・・

こういう内容の事を専門学校でも習いましたし、こういうニュアンスの事は現場でもよく出ます。残存能力という言葉自体が高齢者の尊厳にという事で色々ネット上で言われているようですが、ここは伝わらないよ専門職の用語という事で読み流してください。特段意味はないので。

上の組み合わせた文章を聞いた時に、QOLとADLとPTの用語の意味が全くわからない場合、文章の前後の流れからなんとなく把握するしかないですよね。

私が陥った感覚は
1次関数と初めて向き合った時のアレルギー反応のような、
y=ax+b

旅行先で味わった

오늘은 좋은 날씨 네요

こういう事に近い気がします。別世界の話しで、理解しようとしてもそもそもその記号や文字が意味している事がわからない。

そういう状況です。
これではいかんよというのがOFF-JTの内容です。
専門用語は知っておく必要はあって現場レベルで使うにはいいけれど、伝えられた人がわからないと意味がないし、難しい用語をつかってそれが一般的な価値観で失礼にあたらないか?等、知っているからこそ、噛み砕いて誰もが理解して納得できる言葉を使う必要がある。
知識を見せびらかすだけでは、独りよがりのものでなんか難しい事知っているなこの人はって思われるかもしれないですが、そこに信頼感は芽生えないような気がしています

専門職が陥りやすい、やってはいけない事。OFF-JT第一回目

Apple社の商品の説明書は誰でも理解できるように作っているとスティーブ・ジョブズの伝記で読んだ事があります。やはり、誰にでもわかりやすい事を意識するのが専門職です。

インフォームド・コンセントという今から行う事を説明し、同意していただくという平たくいえば契約のような事が介護では基本とされている。
と小難しく言われますが、当たり前の事であり、インフォームド・コンセントなんて言葉は使わなくていいんです。

そういう事を熱っぽく伝えました。新人職員は理解したか聞くと笑顔で「はい」と言っていました。とりあえず、伝えた事は伝わったかな?なんて達成感もありました。

月二回程度のOFF-JTは半年間つづきます。座学でインプットし、現場でアウトプット。頭で根拠と理屈を理解して、実践し身体で覚える。これの繰り返しですね。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。