ご利用者の視点にたつ事は本気で意識する必要があるけれど、実際に年取ってご利用者にならないとわかり得ない事がなんとなくわかった

皆様こんにちは!!嘉祥会ブログ担当の彌 一勲(ひさし かずひろ)です。
私が大好きなエナジードリンクモンスター。これは前職の後輩が「先輩、まじでやばいっすよ」とすすめてくれて飲みはじめてからの付き合いなんですが、これまた美味しい。どはまりしてもう愛飲歴5年くらい経ちます。

タバコは吸わない、お酒はお付き合いで、日常的に運動している健康的な私なのですがこのモンスターに入っているL-アルギニンとかD-リボースとかよくわからないけれど、なんか不健康そうだけど、飲んでしまう。不思議な飲み物です、夜勤の時に必須でした。

さて、ゴールデンウィーク中5月2日にアルファ医療福祉専門学校で講師の仕事をしてきました。これで二回目。
確定している中であと13回授業がありますが、その時に思った事がタイトルの事です。

ご利用者の視点にたつ事は本気で意識する必要があるけれど、実際に年取ってご利用者にならないとわかり得ない事がなんとなくわかった

ちょと前置きとして
コミュニケーション技術の授業を担当させていただいているのですが、生徒の皆さんは現場の事もわからないしご高齢者の方相手に介護した事ない人がほどんど。

その方々に、現場の実例をもとにコミュニケーション技術とコミュニケーションが行われているメカニズムについて伝えるのは難しいと感じています。

なので一般的な生活の局面を想起させるような事で理解をしてもらおうとスライドを使ったり、動画を見てもらったり、演習してもらったりとあの手この手をつかっています。

私は引き受けた仕事は何でも誠心誠意全力でやります(これアピールポイントですw)、テキストの内容を噛み砕いていくのはもちろん、授業構成なども決めて資料も用意して準備万端で授業に望みます。

でもですね、生徒は朝の1限目〜4限目まで授業があって私はその4限目なので、お疲れの生徒も中にはいます。
私は常に頭が動くように意見を求めたりする授業スタイルなのですが、それでもうとうと寝そうな方や寝てしまう方もいます。

よかれと思って仕事の合間で準備万端に授業をただするだけならばいらない資料作成だったりをした授業で楽しく勉強できるように工夫しても、寝る人はいます。

記憶のかなた、生徒時代だった時の私の事を振り返ってみました。
ピンポイントにアルファ医療福祉専門学校に入学した5月の事を振り返っていました。生徒が置かれている状況にいたので、その生徒側の気持ちがとってもわかるのです。

その時 の自分は趣味活動が忙しすぎて、勉強どころでなかった。携帯とかいじっていたし、定時で受信するイベントのメールマガジンで放課後の楽しい未来を想像して疲れたら寝るというスタイルでした。

そして、先生から注意されても「理解しているからいいじゃん」っていう気持ちでいました。
そう、とってもモチベーションが低かったのです。

今教えている生徒の前でも言いましたが、わけわからない知識を最初の実習まで授業で叩き込み、とても退屈だったのですが最初の実習に行って実際にご高齢者の生活を見た時には目が覚めました。

私から見た入居している方々の生活は趣味活動に心躍らせている私の楽しい毎日とかけ離れていたからです。
それをどうにかしたい。と、おこがましいながらも今の礎になるものを実習と同級生(今一緒に働いている林というデイの職員)と話しました。その時は「俺らが介護業界変えてやる」くらいロックで尖った気持ちでしたが(今でもギラギラしてます)。

そこから授業に対する姿勢が一気に変わりました。
自慢でもなんでもないですが、卒業時は50人くらいの学年でしたがトップ成績で卒業しました。

だからというか、生徒の立場から考えたら今の時期は何をモチベーションにするか難しい時期だなと思いました。もちろん介護の業界で飯食っていくぞという気概のある生徒さんもいっぱいいますが、全員がそうでない。

先生という立場で、寝てしまう生徒を見ると切なくなるなーという気持ちが多少ありましたが、まさにあの頃の斜に構えていた自分自身じゃないかと思いました。そして、その時の先生にすいませんでした。という気持ちになる。先生の気持ちがわかる。
親になった時もそう、親になり、親を知る。

私はアルファ医療福祉専門学校で生徒と先生のふたつを経験しました。だからこそ両方の立場からの心の動きがわかりました。
生徒の時に先生の気持ち、立場にたってなんて思えませんでしたし、思ってみてもよくわからない。

という事は、というか、ご利用者の気持ちにたってという事はわかりえない。わかっていたけれど、本気でその方の気持ちにたって色々考えるけれど、わかりえないんです。経験していないから。

だからこそ、自分たちが口にする言葉、コミュニケーションには相当な覚悟と思いやりが必要なんだ。
そういう事も生徒に伝えています。

介護のコミュニケーションの基本は3つ。

  • 一つ目傾聴
  • 二つ目共感
  • 三つ目受容

これなんです。自分からあーだこーだ言い過ぎるのはまずもって基本でないと思います。コミュニケーションの始まりのきっかけは介護者でいいですが、介護においてのコミュニケーションは受けとめる。自分の主観的な事よりも相手の人生と価値観に共感して受け止める。

そこから始まると私は経験則から、そして色々な書物を読み漁って感じています。

ご利用者の視点にたつ事は本気で意識する必要があるけれど、実際に年取ってご利用者にならないとわかり得ない事がなんとなくわかった

だって、自分が今30歳。介護させていただく方は80歳〜90歳の方が大半です。若いって何も知らないって事だと思います。だから私達がご高齢者に与える事は実はあまりなくて、受け取る、受け取らせてもらう事が多い。

学生には教える立場の先生が実は生徒から学ぶ事や授業で得る事が多い。そしてそれを嘉祥会にもしっかり活かしていく事が私の使命になったのだと思いました。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。