当事者が実際に困っている状況に出会って、いろんなことが動き出した

小山田桜台の商店街に「介護ステーション」という店舗にて介護相談や月に一回折り紙教室をしています。
その介護ステーションに先日、二人の女性が来店されました。

当事者が実際に困っている状況に出会って、いろんなことが動き出した

相談内容は「この方、家がわからなくなったみたいなんです」ということでした。
困っている方に家やお名前などをうかがうも、家の場所がわからず、ご自分の名前も「山◯?山●」と聞く度に変わり、電話番号もわかりません。
結局は高齢者支援センターにつながり、利用しているデイサービスがわかり、その後はご自宅に戻られたようです。

後日、介護ステーションに相談に来られた方が「あの迷っていた人どうされましたか?」と心配して訪ねてきてくれました。

経過を報告すると安心した様子でした。話しを続けると「桜台もね、これからああいう人が増えると思うんです。なので、これからもそういった迷っている人がいたりとか、困ったことがあったら連絡とれるように」と連絡先を交換しました。
 
後日、家がわからなくなった方の担当のケアマネジャーとご家族がわざわざ介護ステーションにお越しになりました。
「先日はすいません」とご家族。
それでもこれからもひょっとしたら、同じようなことがあるかもしれないのでと顔合わせに来てくださいました。

「認知症になっても不安なく外出できる町づくり」は、こうやって実際当事者の方が困っているところを、色々な人が協力しあって、見守っていこうみたいな一つのことから徐々に輪がひろがっていくんだなと実感しました。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。