自己選択・自己決定は幸福度とQOLに大きく影響する

二択以上の選択に迫られた時、どっちを選ぼうか?という局面は人生のあらゆる場面でやってきます。

今日の洋服は何にしようかな。お昼ご飯はAランチ、Bランチどちらにしようかな という日常のものから進路を選ぶ時、就職先を選ぶ時、仕事での重大な決断を迫られる場面等日々自らが選択し、決定しており、その繰り返しと足跡が自分の人生を形成しているのは間違いなさそうです。

自己選択・自己決定は幸福度とQOLに大きく影響する

介護保険法でも

第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

と被保険者(=介護認定を受けている高齢者)の選択に基づくという事が謳われています。

先日のケアマネの研修でも「尊厳の保持のためには自己決定の保障が不可欠です!」というフレーズを講師が口にしていた事がとても印象に残りました。

当会は介護保険の中で事業を行っているものが多く、この自己選択・自己決定には常に向き合っています。

尊厳の保持のために自己決定の保障が不可欠という言葉は、冒頭に書いた自らの選択、決定が自分の人生を形成しているという事に直結していると思います。
例で出した日常の今日の洋服は何にするか、Aランチ、Bランチどちらかにするか?を他人に選択を委ねると、楽かもしれませんが、おそらく納得感が違ってきます。

今日は友達とおしゃれなカフェに行く!という人に、他者が選んだ洋服が自分がお気に入りでお出かけ用の洋服でなく、”何者か”の他人がよかれと思ってリラックスできるという機能面で選んだ服を着なくてはいけなくなってしまったら、自分を納得させてその服を着ていく事もできますが、「自分はあっちの服がよかった」と納得感がなく、おそらくおしゃれなカフェで友達と過ごす時間への期待もやや減退するのではないでしょうか。
他人が選んだ服を来てカフェに行きました。そこでAランチ、Bランチの選択をまた”何者か”が、ランチを決めてしまったら。どちらにしても、納得感は得られないと思います。

やはり自分が納得し、自分らしい生活を送るには自己選択と自己決定をできないと、尊厳が保たれる生活とは言えないのかもしれません。

日々介護現場でも自己選択、自己決定ができるように支援していますが、認知症や認知機能低下により、判断できない方、選択する事が難しい方もいらっしゃいます。
そこが介護現場で気をつけなくてはいけない事であり、難しい部分でもあります。

真夏に厚手のニットを着ている場合はどうでしょうか?認知症の方は見当識障害と言って時間、場所がわからなくなる事があります。季節も今が夏なのか、秋なのか曖昧な事もあります。
その時に「その人が選んだのだから」と言って、季節感もなければ熱中症や脱水につながりそうな事を黙って見過ごすわけにもいきません。
直接的に「真夏で外は暑いですから、半袖にしましょう」と言えば、どうでしょうか?
言われた側とすれば、色々な感じ方をして気を悪くし、着替える事は嫌と思うかもしれません。

自己で選ぶ事を支援する事が大切なわけですから、こちらが指示するのではなく、選ぶお手伝いをするという事を考えます。

例えば、厚手のニットを着ている方と洗濯物を外で干してみて季節を感じてもらったり、季節の花を見に行ったりして、今がいつでどの季節なのかをわかってもらうアプローチを試みてみる。
散歩や外で花に水をあげ、汗をかいたところで着替えを提案し、季節にあった衣類を提案してみる。
等、判断が難しい人が自分で選ぶ事を支援していく。それが介護士の仕事なんだと思っています。

日常的にも、これからどう生きたいか、過ごしたいか と様々な選択の局面に私達は利用者と一緒に向き合っています。

自己選択・自己決定が人生の幸福度、(生活の質)を向上させるには大切な要素です。

福祉の仕事は直接的な介助を想像する人が多いですが、このように尊厳を守る為のアプロ―チありきだなと常々思います。


【ぬくもりの園は介護事業を展開しています】
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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。