素敵な当たり前

先日、ご利用者と一緒に中庭で洗濯物を干していると花壇を見て「雑草が凄いね。全部取っちゃおうか?」と仰られ、一緒に草むしりを行ないました。

認知症の方でしたが雑草と花を確実に見分け、雑草のみを抜くスピードが物凄く早く30分程度で大きいゴミ袋2袋いっぱいに取りました。終わった後「少しは綺麗になったかな」と少し誇らしげなお顔で話されていました。

素敵な当たり前

ある方の講演会に行った際、グループホームをやり始めた時に「生きるとはどういう事なのか」という事を深く考えた末「生きるという事は自分が主人公である」という事が分かったんです。つまり、自分の能力を使う事が生きるという事です。自分の意思に基づいて自分が成そうとすることの為に自分の能力を使っていく、これが生きるという事だと。そう考えると、介護施設って「生きる」を支援する存在になっていないんじゃないか?座っていたら何でも出てくるといったように「生かされる」事はあったとしても「生きる」支援にはなっていないか?って思ったんです。やっぱり「生きる事を支援する」っていう事を考えるとご本人が主人公で主体なんです。ここでいう主体とは意思や能力が自分が生きる為に活かされるという事です、と話されていました。

草むしりをした時に、「あの時の話はこういう事かぁ〜。主体として関わる事で人ってどんどん力を発揮するんだなぁ〜」と思いました。
自分の意思を行動に移せるという事は素敵な事だと感じ、この「素敵な当たり前」をこれからも大事にしていきたいと思った出来事でした。

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