ケアプランAI化・ケアプランの自己負担について考察

在宅介護サービスを利用するならば、居宅介護支援事業所等のケアマネジャーが担当になることがほとんどです。

担当ケアマネジャーが対象者の状態をアセスメント(客観的評価)、家族がいれば家族の意向なども聴き、在宅生活の上で解決すべき課題、ニーズをもとにケアプランを作成します。

ケアプランを作成し、対象者に説明し、それでいいと判断してもらって在宅介護サービス事業所とそれぞれ契約しサービスを利用する運びになります。

この過程はまず初歩的なところですが、この段階でタイトルのケアプラン自己負担・ケアプランAI化についてちょっと考えます。

ケアプラン作成をどのようにAIが行うかはわかりませんが、AIですので、アルゴリズムの中で超合理的なプランを作成すると思います。

昨今問題となっているサービスを過剰に利用させる事業所が存在していることはこれでだいたい解決できるように安易に想像してしまいます。

どんな方法でAIがケアプランを作成するのか非常に興味深いのですが、ご利用者に必要なサービスをアセスメントやおそらく具体的な評価指標に基づき最適化されたプランを出してくる。なんていうことを想像しています。

そうなってくると、ケアプラン自体は最適化されたものになるのだけれど、アセスメントをする人(ケアマネジャー)次第ではやはりサービスの最適化には繋がらないと思います。実情をより詳しく分析し、細分化して課題を抽出すればいくらでもでてくるものです。

その出てきたものをどう線引するのか。

を含めて、すごく興味深いです。

 

ケアプランを作成するのはAIが代行するのでしょうが、この最初の在宅介護を利用する一部の過程を考えても、ケアマネジャーが介在する必要があることがおわかりいただけるかと思います。

ケアプラン自体は自分、家族が作っていいことになっています。ですが、アセスメントや各サービスの情報提供、調整、その他介護認定の更新申請など色々含め自分、家族ではなかなかできるものではありません。

被介護者もご家族も介護保険のことやサービス事業所のことがよくわからない為にケアマネジャーに任せるというケースも多くなっています。

ケアマネジャーありきでの介護サービスというよりも、被介護者、ご家族の代行・専門性の提供という意味でケアマネジャーがいるような感じです。

事実ケアマネジャーを介さないでも自己作成のケアプラン(セルフケアプラン)で介護事業所と契約し、介護サービスを利用することができるわけですから。

平成30年6月6日とこのブログを書いている段階ではケアマネジャーが担当について、ケアプランを作成することに対しては被介護者の自己負担はありません。

しかし、経済財政諮問会議でも出ているように介護保険制度のサステナビリティ(持続可能性)を考えたらご利用者の負担増を考えるしかないですねという方向性のようで、ケアプラン作成の自己負担を検討しています。

そうするとケアプランをケアマネジャーが作るのに自己負担が発生するようになったとして、それが1割なのか2割なのか、3割なのかわかりませんし、実際どうなるかもまだわかりません。

今町田市は要介護1,2の方が11,709円、要介護3,4,5の方が15,212円実はご利用者の自己負担はありませんが、費用としてはかかっています。

要介護1、2の方ならば1割負担で1,170円。2割負担で2,341円の負担になりますね。
この費用負担増はこれまでなかったものが増えるので痛いですが、色んな手間を考えたりすると負担せざるを得ないというように思えます。

 

一連のことでこの業界を客観的に見て課題だなと思ったのは、介護サービス事業所を選ぶのに情報源がケアマネジャーがメインということ。

一般的に使うホテルとかだとコンシェルジュがいなくても今の時代だとWEBで調べ、口コミサイトやホテルのWEBサイトにてどこにするか決めるなんてことも多いと思います。しかし飛行機のことなど含めて考えると旅行会社のプランで旅行にいきます。

何が違うかっていうと選べる幅が全然違うってことですね。

今被介護者が75歳で家族が介護事業所を探す、また入居施設を探すとなったらケアマネジャーもですが自分でWEBで調べる人が確実に増えています。

なので介護事業所のWEBを充実させ利用を考えている人が必要な情報を得ることができる環境を整えるのは最低限必要なことになっていますし、もっと知ってもらう努力も必要かと思います。

ケアマネジャーがプランに入れてきたこの事業者、WEBで調べたら概要とか電話番号しかのってない・・・なんてこともありえます。

 

ケアプランAI化、ケアプラン自己負担で変わることは利用者の経済的負担増。であって、業務の形は変えつつ、簡略化しつつケアマネジャーが必要なことは変わらないなという感じで思っています。

自己作成が世間一般的になればホテルみたいな比較サイトやケアプラン自動作成のアプリとかでそうですが、とってもフラットな評価や事業者選択がされることが求められますよね。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。