生活の知恵だなと感心したノートがあり、ご利用者に見せていただきました。
その方は独居でご自身が認知症ということもあり、自分自身で何をしたのか、何を支払ったのか、など管理が必要ということもあり、しっかりメモだけは忘れないようにしているようです。
どんなノートかというと、大学ノートの縦に時間、横を二分割し左側は自分が考えたこと、身の回りに起こったことを書き、右側には世間で起こったニュースなど公的なことを書いているというノートです。
「何かあったことを忘れちゃうでしょ。だからこうやってわけて書いておくと、自分で見返したときに何があったかわかる。覚えていられないから、これが記憶装置だね」とお話ししてくだいました。
最近のページには「令和=万葉集」と11時〜12時の時間軸のところの右側に書いてあったり、ゴーン氏のことも書いてありました。
また左側の時間軸にやったこともですが、やることを書いて、やったものに関しては赤ペンでチェックをしていました。
ToDoリスト、タスクリスト、備忘録ですね。私もGoogleやEvernoteで全く一緒のことをやっています。
クラウドとデジタルでないだけで、やっていることは同じ。脳の外付けハードディスクでアナログ的な手法で実践している。
「忘れてしまうからどうやったら思い出せるか考えて実行している」と仰っていましたが、記憶には残らないけれどどうやったら最適化されるのかを考えているんですね。
メモとか写真がないと人って忘れるんですよね。記憶は時間が経つと曖昧になり、ぼんやりしていきます。
よく新人職員の指導をするときに「メモはとっておいてあとでわからない時に見返してね」と言っていたある春の日を思い出しました。
記録って大切ですね。
■ こちらの記事もあわせてご覧ください。
- 七夕飾り
- 一瞬一瞬の関わりが大切
- 忠生ミニDサミット~‥認知症の人にやさしいまちづくり‥のはじめかた~に参加しました
- たこ焼き
- ぬくもり大運動会
- 「潜在的に『やりたい』ことへのアプローチ」
- 研修報告:観察力アップはなぜ必要か?~アセスメントを正しく理解しその人らしく住まい続けるために
- 大正生まれの人が平成の最後の年に漢字検定をうける
- まちだDサミット〜認知症の人にやさしいまちづくりのはじめかた〜
- 人材育成のスキーム
The following two tabs change content below.
彌 一勲
特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。
ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。
認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。
最新記事 by 彌 一勲 (全て見る)
- 介護福祉士の専門性とは? - 2024年1月31日
- 根拠のある介護(ケア)とは? - 2024年1月24日
- キュア中心からケア中心へ~保険医療2035~地域包括ケアシステムのその先の未来 - 2023年8月9日