「潜在的に『やりたい』ことへのアプローチ」

「また来年も参加する為に元気でいなきゃね」

グループホームご入居者へ対し、グループホーム内、地域でも役割をもって生活できるという視点を必ず持ち、個々の個性やニーズを把握し関わらせていただいています。

認知症になっても保持されやすい手続き記憶という、これまでの生活の中繰り返し行うことで培ってきたものを尊重し、できることをやっていただくのが自立支援で必要な関わりかと思います。

しごとで地域とつながる。そして自立支援 https://kashokai.com/blog/archives/13384

裁縫が得意なグループホームご入居者が、近所の障害者施設で服を破く方いるので、その破いた服を縫い合わせることを快諾してくださり行っています。

このように「やりたい」「できる」ということから日々の支援方針やサービス計画を立てるのですが、今回、RUN伴まちだにご入居者もランナーとしてお誘いし参加していただいた時に、それまでの人生で昔培ってきたことの大切さばかりに目が行っていたなと気づかされました。

RUN伴は認知症の方でもそうでない方も一本のタスキをつなぎ、ゴールを目指すというイベントです。認知症の方と我々が出会う。そして同じ町に暮らす人達同士つながるという目的があります。

今回ランナーで参加していただいたご入居者は日常的に走ることを趣味としているわけでもなく、RUN伴を是非やりたい!と言ってくださったわけでもありませんが、こちらからお声掛けし、外出することを楽しみに参加してくださいました。

いざタスキを受け取り、走れなかったので歩いてゆっくり次のランナーにタスキをつなぎました。

タスキをつなぐ中継地点で大勢の方が拍手と旗をふって迎えてくれました。
その中、笑顔でご入居者の方々とスタッフが一緒にゴールしました。

ゴール地点では、グループホーム外の同い年くらいの方々と楽しそうに会話されていました。

そしてRUN伴での役割を終え、帰路の途中「こうやって連れてきてもらって、同い年くらいの人に会えて、とても楽しかった。本当涙が出そう」「楽しかったな〜。本当によかったよね」「また来年も参加する為に元気でいなきゃね」
と参加者全員で余韻に浸っていました。

やはり楽しかったこと、印象深かったことは短期記憶が低下していても記憶が頭の中で繰り返されるのか、楽しかった思いや思い出がしばらくつづいているように思います。
同じ体験をした仲間と繰り返し話すことで、それはよりつづくのかもしれません。

今回参加されたご入居者の方々は、普段口にはしないけれど、グループホーム外での他者との交流や社会参加、多世代交流、楽しみの共有ということを実は望んでいたのかもしれません。

「やりたい」ことと「実はやってみたかった」「好きだった」こと。
どっちにもアプローチが必要なんですね。

またご入居者の方々に喜んでいただけるように、その方々の本質まで多少理解できるようになれたらなと思いました。

とても視野が広がる出来事でした。

潜在的に『やりたい』ことへのアプローチ

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彌 一勲

彌 一勲

アルファ医療福祉専門学校卒業後、社会福祉法人悠々会特別養護老人ホーム悠々園の現場スタッフで2年間・現場チーフで3年間高齢者の介護業務にあたる。2014年社会福祉法人嘉祥会ぬくもりの園へ転職。施設長補佐として従事。ご利用者の役に立てる為に何ができるかを考え、心に寄り添ったケアを実践します。
彌 一勲

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