離職防止する介護新人職員教育 コミュニケーション編 その壱

こんにちは、嘉祥会ブログ担当の彌 一勲(ひさし かずひろ)です。

正月ムードもひと段落したと思ったら三連休で、これは公務員や大企業には優しい(?)制度ですが、年末から投げていた事が
年を跨いでいる事が何点かありまして、

世間は 仕事始め→挨拶まわり→三連休 という感じですので年を跨いで他社様とやりとりは今年から控えようと思いました。
素早いレスポンスとリアルタイムが仕事のテンポを維持するにはお互い良いですからね。

離職防止する介護新人職員教育 コミュニケーション編 その壱

離職防止する介護新人職員教育 コミュニケーション編という事で、私が思っていて嘉祥会でも実践していくべき材料もあるのでアウトプットの意味合いを込めてこの題材について書きたいと思います。

専門学校で特養三ヶ所、訪問介護一ヶ所、訪問入浴一ヶ所、そして就職して特養、現在はヘルパーステーション(訪問介護)を経験して介護実務8年間の中で色々な職員を見てきました。

その中で感じた事、コミュニケーションは一言でえば「考察、トライ、振り返りを繰り返したうえでの経験」です。

まず最初の壁が、若い20代の職員は自分のおじいちゃん、おばあちゃんと同じかそれ以上の年齢の方とコミュニケーションをとる必要がある事です。
自分のおじいちゃんおばあちゃんは優しく包んでくれるし、会話などそんな意識しませんが、介護職として何もコミュニケーションをとらないわけにはいきません。

そしてその時の一声が私はすごく難しかった。

実習で特養にいった時に、職員の方に「じゃあ、コミュニケーションの時間ね」と会話が比較的お好きでおおらかな人柄のご利用者をご紹介してくださいました。
「こんにちは、アルファ福祉専門学校からきました彌 一勲です」と名前を伝え、名前を伺います。

私は名前の漢字が難しいですから、ここで一つ話題ができます。どれだけ活舌よく言葉を発しても70%は聞き返されますのでそこから自然に「祖父母が奄美大島の方の出なので、東京ではめずらしい苗字だと思います」「そうでしょ、長年生きてきたけど、初めて出会った、苗字だもの。下の名前も難しい。これでカズヒロと読むの?すごいねー」

から始まります。なので、実習の時はエプロンに名前を貼ってでかでかと名前を書いたり、今ではまずご利用者でも地域のご高齢者でもまず名刺を渡します。

私のように自己紹介で一つネタができると、色々と展開しやすい。祖父母が奄美大島から、ご利用者のお生まれを聴くのにも自然です。

しかし、そういう定例のネタがない実習生だと本当に最初どんな感じで声掛けていいか悩んでしまう。
よく言うお見合いのような声掛けになってしまうのも致し方ないと思います。

これは新人職員でもそうで、「コミュニケーションとって」「レクやって」というふりが新人職員にはプレッシャーでありストレスなんですよね。

それを先輩職員や教育担当者がその目線で物事を考えなくてはいけません。

私は物覚えが悪かったので介護職一年生。特養で働き始めました時、私一人に対し、ご高齢者は40名+ショートステイのご利用者。
名前と顔が一致するだけでも二か月はかかりました。

介護に関わらず、どの仕事でもコミュニケーションが一番大切と言っても過言ではないです。
これがうまくなるには新人職員自身のトライアンドエラーも必要ですが、着目点については常にこまめにフィードバックが大切です。

そして私(教育担当)が法人の理念や行動指標に基づいて声掛けする言葉の丁寧さを伝えていく。

介護職として初めて働く職員は、不安なんです。

やる気があっても、片麻痺で発語が明瞭でない方もいらっしゃれば、うなずくだけの方、文字盤で話す方、そして認知症であれこれと話題が出てこない方。
介護が必要なご高齢者だと普通にある事です。

まずもってそういう方とコミュニケーションの取り方がわからない=怖い となります。
人間、わからないものには不安があり、その不安に打ち勝つのに心をすり減らしていくわけです。

だから必要以上に成長を見守るだけでなく、自らがこまめに新人職員に介入する必要があるわけです。

あとは職員間のコミュニケーション。関係性を築く為に、職員間や他部署とのつなぎも必要です。

バーンアウト(いわゆる燃えつき症候群)で退職してしまう職員についてネットでの記事がいっぱいでてきますが、その中でもコミュニケーションがやはりキーワードになってます。

「上司からのサポート」 、「専門性向上への支援の不足」「組織内コミュニケーションの不足」の「職場離職意向」への影響関係に対して「バーンアウト」が媒介することが確認できた。
上司からのサポートの受容感が低い場合や、組織の支援体制も整っておらず組織内コミュニケーションが不足していると感じた介護職員はすぐ他の職場に移りたいと思うより、バーンアウトしてから他の事業所で働きたいと思うことがうかがえる。
http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/socio/postgraduate/img/shushi_2012_1.pdf より引用

こちらの表を見ると、介護の離職の原因が結婚、出産などが理由の一位で、次いで二位は法人事業所の理念や運営のあり方に不満があった。

この二位は理念は調べてからどうぞ面接にきてくださいという事で、「どこでも働けるからとりあえず」の人の意見もあるだろうから二位だけど、ちょっと微妙なラインですが
三位に職場の「人間関係に問題があった」はひょっとしたら防げた事かもしれませんね。
上司が部下を気にかけていれば、防げた案件もあるはず。

ご利用者とのコミュニケーションは不安がつきまといます。私も初めてあったお会いしたご利用者にはどんな会話としようか、そのシチュエーションと投げた言葉にどう反応したかで言葉を選びます。最初は本当に不安。

他部署、他職種の人と話すのも緊張します。
キャリアも自分より長いケアマネと話す事や医師や看護師とコミュニケーションをとる必要があるからです。

介護技術に関しての指導はもちろんみっちりやらないといけませんが、それと同等レベルにコミュニケーションについて大切に考えるのが離職しない職場づくりであり、新人職員を育てるには必要ですね。


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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。