アウトソーシングという考え方

アウトソーシング=外部委託ですが、ビジネスで使われる言葉ですね。
日本語訳で察しがつくかもしれませんが、自法人の業務を外部の業社に委託することです。

イメージがつきやすいのは、掃除。掃除をやることはご利用者をお迎えするにあたって、また住環境整備として行わないといけないことです。

現場で働いている介護スタッフは、掃除も大切なのですが、何よりも優先すべきはご利用者の安心安全の確保、自立支援、適切なケアになります。

なので、介護スタッフには介護の仕事をやってもらう。掃除は掃除スタッフにやってもらう。と考えた時に、掃除スタッフを直接雇用するのも人材不足ですから、なかなか安定的に職員を確保できない。という時に掃除という業務をアウトソーシングをします。

というように、法人を運営するのにはありとあらゆるアウトソーシングが行われています。すべてを◯◯部署みたいにしてインソーシングするパターンもありますが、当法人はアウトソーシングを結構利用しています。

考えとしては介護スタッフと掃除スタッフで説明したような感じです。なので業務効率をあげること、また、業務で「やらない」決断をし、引き算で業務を考えていくことをしつつ、どうしても外せないもの、またはこの業務は専門家に任せた方がいいよね。という項目もあります。

餅は餅屋という考え方です。

アウトソーシングという考え方

これは法人のことですが、在宅介護をされている主介護者にとって訪問介護、デイサービス、ショートステイを利用されることもアウトソーシングという感覚で考えてもらうといいのかなと思いました。

被介護者(介護をうける人)が実母75歳女性。主介護者(介護をする人)が45歳女性。

被介護者が介護が必要になったので、夫亡き後は独居で暮らしてきましたが、同居することに。被介護者は介護の手が必要だが、要介護1と認定結果がでて、特別養護老人ホームに入居することができませんでした。(対象者は原則要介護3以上)有料老人ホームは高額な利用料金が必要で入居できない。でも一人で自宅に置いておけない。

という状況で、45歳女性が介護離職を選択することが考えられます。

45歳主介護者は独身で姉(50歳)がいますが、旦那の母の介護のこともあり、なかなか協力を求められない。

そういう状況。だと仮定します。

在宅介護を続けていくのは心身ともに大変なのですが、このように在宅で介護をしないといけないとなった場合。

このケースで主介護者が介護離職し、実母を数年介護した後、実母が要介護3になり特養に入居され、在宅介護の必要がなくなりました。という時、介護した年数が5年、10年と経っている主介護者が正規職員として再び企業で働くことは、スキルがない限りは年齢的にもかなり制限がでてくることが想像されます。

なので、この問題になっている介護離職を解決できるようにするのが当法人のような在宅の介護サービス事業所です。そのために存在しています。

 

主介護者も今、そして未来の自分の生活、社会的役割、生きがいがあります。それを確保しながら在宅で介護をしていく必要がある。

すべて何から何まで自分でやる(インソーシング)だと、かなり疲弊していってしまいます。

ならば餅は餅屋のように、在宅介護のマンパワー、知識・スキルはアウトソーシングし、主介護者も自分の生活を保っていこう。と考えていただきたいと思いました。

実の親だと目につくようなことでも、介護職は社会的役割を理解して働いていますので、受容し、適切な方針でのケア、関わりができるんです。

主介護者の生活、仕事は確保してもらって、必要な在宅介護はアウトソーシングをして主介護者・被介護者ともに気持ち的に余裕をもってほしい。

とアウトソーシングについて考えた時に思いました。

実際は色々な在宅介護の問題点、被介護者、主介護者の状態や考え方でうまくいかないこともあります。

しかし、一人で抱え込まないでください。

というメッセージは発信したいと思います。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。