目からうろこ!口腔ケアの基礎知識研修

東林間歯科様に口腔ケア研修を実施していただきました。

私が特養で働いていた頃、口腔ケアでも本当に様々なケースを体験しました。
自歯が8割程度残っていてご自分で磨くけれど、磨きのこしが多い方。
なかなか口を開けてくださらない方。
認知症で部分入れ歯で入れる時、外す時にがつっと噛みにこられる方・・・

本当に色々な方がいらっしゃいました。

目からうろこ!口腔ケアの基礎知識研修

個人個人で口腔内の状況って全然違う。
介護現場での仕事でずっと判断に迷っていたのも口腔ケアのやり方だったりしました。

最初は義歯が無い方も口腔ケアする必要あるの?
というところから、総入れ歯で残根がある方の口腔ケア。
うがいが難しい人への口腔ケア。
ターミナルケア時の口腔ケア。

ケース、場面と本当にケースバイケースすぎて専門職の関わりがないとブラシをして残渣をとるくらしかできない。色々と教わってできるようになるわけですが。

お口のことで難易度Sランクと思っていたのが新しくつくったばかりの部分入れ歯に慣れていただくこと。認知症でこちらが言った言葉に対して理解が難しい方へ入れ歯を入れさせていただく時は試行錯誤です。
うまくお口があいて入れたとしても「あぁぁ!!」と義歯を外して投げたり・・・。
最初は痛い様子でした。

これをあきらめると噛み合わせ、食事もですが、脳も含め色々なところへ影響がでてきます。

口腔ケアは歯科衛生士やSTなど色々と聴く方がいいですね。そういうコミュニケーションをとれる訪問歯科さんとお付き合いができれば法人にとって安心です。

目からうろこ!口腔ケアの基礎知識研修

今回研修していただいたのは、口腔ケアの重要性の話しと口腔ケアの実践でした。

アルブミン値でみる口腔ケアの重要性というところを数値で確認しました。
歯周病菌が全身疾患に関係していることはわりと有名ですが、糖尿病についての話しで「歯周病菌になると糖尿病が悪化する」ということを聴いてそんなに敏感に反応するものということを知りました。エビデンス見つかりませんでしたけれど、WEBで検索してもあらゆる機関から発信されています。

それを聴いて実際に訪問しているご利用者に対し色々考えました。

独居の男性S様。幻聴、幻視があり、ケアマネジャーは認知症の検査を推め、先日精神科に受診したところ、脳血管性の認知症かもしれないとのこと。幻聴、幻視の症状に対しては薬は処方しない。糖尿病がある方なのでその治療を考えないと駄目ですね。と医師の意見があった方です。

では内科で糖尿病のお薬をという運びなのですが、その方は独居でお薬をカレンダーに入れたとしても、説明してもご自分で飲むが難しい。内科の医師からは「(糖尿病の薬を)飲む飲まないでは危険だから」ということで食事管理の方向でこの1年間経過しています。

しかし、ご自身でお粥をつくってお腹がすいた時に食べる方でお薬の管理も難しい。
食事の管理も難しい。

運動は買い物と銀行に行くタイミングでのみ。

認知症?という感じで、幻視、幻聴があるけれど人の名前や関わった人のことをよく覚えています。

なのでこちらが訪問して声をかければこちらのことを覚えているし、私は通院の際にお邪魔するので私の顔を見ると「何?今日病院?」という感じです。薬をお渡しすればその時は飲むし、病院に行きましょうというと理解をして行く。

すごくユーモアもあり、世の中の出来事をうけ考察をされている方です。

S様に今関わっている訪問介護の内容としてはバランスがとれた食事を召し上がっていただくように、ということと服薬ができるように訪問すること、掃除です。

訪問介護の他、デイサービスにて入浴。あとは毎日夕食は宅配のお弁当が届きます。

常食を召し上がっているのですが、噛み切れないものがあるようで、顔の口元を見るとそもそも歯がない場所がありそうです。

そして歯科受診されていなければ、訪問歯科も入っていない。口腔ケアのやり方を聴き、訪問介護にて口腔ケアを実際やるでもいいかもしれません。

そういう状況なので、内服薬や食事管理もだけれど口腔内の健康からアプローチしたら糖尿病も改善されていくのではないのかな?

とも考えました。

目からうろこ!口腔ケアの基礎知識研修

口腔ケアのやり方のレクチャーでも実際にスタッフ相手ですが習った内容を実践し、力加減や磨き残しがないか確認しながらできたので、明日からの業務に活かせそうです。

色々学びのある研修で、スタッフ一同、引き出しが増えました。

よりよいケアをご利用者に提供できるように日々精進です。

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。