人生に寄り添う仕事に従事するということ

ぬくもりの園から歩いてすぐの場所にバット博士記念ホーム(以下バットホーム)があります。児童養護施設でそれぞれの家庭の事情で親と暮らしていない子供達が住んでいます。

先日は園遊会に招待していただき、私、そしてグループホームのご入居者と遊びにいきました。
園内は子どもたちが料理などでお迎えしてくれます。地域の方々も多く訪れており笑顔が多い、とても賑やかであたたかい雰囲気でした。

園遊会の中でバットホームの高校生がスクリーンに移されたスライドを前に話していた内容が耳に入り、脚を止め話しを聴きました。

「担当の職員が辞めるということは家族がいなくなるということで、とても悲しいです」
ドキっとしました。

担当の職員は子供たちからしたら頼れる存在。家族のような存在。その大人を信頼していたのにいなくなってしまうと、信頼するのが怖くなるとも言っていました。

大人が思っている以上に子供は大人を見ているし、頼っている。

担当職員が辞めるのを防ぐためには「職員の社会的な地位をあげて、給料をあげて責任感をもって仕事をしてほしい」という言葉に、これは介護の仕事にも思いっきり当てはまることだと感じました。

児童養護施設は時折園遊会等におじゃまするだけなので、事情をわかっているつもりはありませんが、介護もですが「人生に寄り添う仕事」であり共に歩むパートナー的な存在でもあると思うわけです。

介護業界は人材不足もですが離職率も高いと世間では言われています。
施設に入居している方にとって職員が辞めるということは、大人とはいえ信頼していた人が辞めるということは心身に何かしらの影響を与えているはずです。

みっちり関わった以上、人生に何かしらの影響を与えているんですよね。

だから辞めるってどうなの?というではなく、子供が言っていた言葉がそのままあてはまるのですが、職員の社会的な地位をあげて、給料をあげて責任感をもって仕事ができるような環境を整えていく。
そして職員の心を育てる。

そういうことが必要ですよね。

本当に心が打たれました。

人生に寄り添う仕事に従事するということ

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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。