自費の訪問介護をやってきて

訪問介護は「ヘルパー」と言われているからか、時折家政婦だったり何でも屋さんだと思ってなんでも要求される方もいらっしゃいます。しかし、介護保険内で提供されるサービスではやれること、やれないことが存在しています。基本は掃除・洗濯等日常生活の援助である「生活支援」と入浴、排泄など直接身体に触れる支援をする「身体介護」というものが実施されます。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000201799.pdf

老計10号という通知ですが、ここにどんなサービスが提供可能かを知ることができます。

日常生活で必要な援助ということが一つのキーワードで、できないことでも日常に必要と利用者側が感じることも多々あります。

https://president.jp/articles/-/24112
こういう記事もありました。

よく要望が聞かれることが窓拭き、カーテンの付け替え、買い物で言えばお酒の買い物、病院の付き添い等で、心情的にはスタッフも叶えたいことですが、介護保険内のサービスでは実施できません。

植木をちょっと動かしたいとか、高いところのものをとってほしいとか、エアコン清掃をしたいとか生活上困ることって色々ありますよね。

介護保険内のサービスで対応ができないことを、介護保険外サービス。つまり自費サービスという選択肢があります。

介護保険内サービスと違い、ルールは事業所によって違うと思いますが、窓拭きや大掃除といった普段やってほしかったけれどできなかった事や通院時の付き添い、旅行やアクティビティの付き添いにも対応することができます。

今、ご利用者の多様なニーズに対応するには介護保険内のサービスだけでは難しいだろうということで「選択的介護(混合介護)」と言われる介護保険内サービスと介護保険外サービスをシームレスに提供できる仕組みも構築されつつあります。

当事業所での自費サービスが多いのは大掃除、通院時の付き添いですが、クラス会に出たいという方の付き添いしたこともあります。

行きたいところ、やりたいことがあるけれど1人で行くには不安だし出先で何かしらの介護が必要という場合に使っていただくことも可能です。

自費サービス、個人的には好きです。

何故好きかと言いますと、やりがいを感じるからです。
やりがいって介護の仕事でよく使われて使い古された言葉かもしれませんが、本当にそう感じます。

まず自費サービスの値段設定について説明します。

介護保険内サービスは決められたルール、決められた時間の中でサービスを提供し、ご利用いただいた方には負担割合に応じた料金の自己負担があります。
保険者から費用の総額8割、9割はサービスを提供した事業所に支払われ、ご利用いただく方には2割、1割という具合になっています。
例でいうと身体介護30分〜1時間未満の提供が介護保険でいえば6,353円(平成31年4月現在。町田市、加算含まない)なので1割負担の方であれば635円で利用できます。

対して介護保険外サービスはオーダーメイドのサービス内容で、価格設定は事業所によって様々です。当事業所では1時間3,024円です。

サービス内容は違うとは言え、ご利用者からすれば普段635円で来てもらえるヘルパー派遣が、3,024円になるわけです。

やりがいその①ご利用者の反応がダイレクトに感じられる

3,024円/1時間にどれだけ価値を感じてもらえるか。妥当、もしくはコスパ良い!と思っていただけるかが大切になります。

なので、リピートの依頼が来る時は仕事を評価されたという気持ちになります。
介護保険内サービスも同じ気持ちで望みますが、反応がダイレクトに感じられやりがいを感じます。

やりがいその②指名をいただけると素直に嬉しい

自費サービスは訪問するヘルパーを指名していただけます。美容室も同じかと思うのですが、人によってはスタイリストとして経験があまりない若手よりも経験豊富な店長クラスに髪を切ってもらいたい人もいます。
また料理が得意、とか話し相手として良さそうとか、身体が大きいから移動時に頼りになりそう ということでもいいのですが、何か良いと思って自分を指名していただけると素直に嬉しいです。そしてリピートの依頼をいただけると、こちらも「私のお客さん」という気持ちにもなります。より良いサービスになるようにと気合も入ります。

やりがいその③ご利用者のニーズに応えられる
ここがスタッフとしても一番のやりがいポイントですね。困っていることのソリューション。そして喜んでいただける。これが生活の一部をヘルプする我々にとっては一番のやりがいです。

ご利用者がやりたいことを実現できる。そのサポートを専門知識をもって行うことができる。普段の介護保険内サービスでも同じことですが、そういうことが好きでもっと幅を広げてやっていきたいと思います。


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彌 一勲

特別養護老人ホーム、訪問介護にて施設・在宅ケアに関わってきました。 ご縁があって出会った“人”の人生、生活に向き合い、専門職として関わることを大切にしています。介護が必要になってあきらめかけた自分らしい生活を介護士が黒子(きっかけ)となって叶う瞬間、ワクワクしている表情を見られる時にやりがいを感じます。 認知症になっても住み続けられるまちづくりを医療介護従事者、地域住民の方々と一緒に考え、行っています。